こんにちは!着物ライターのカナです。

お母さんやおばあちゃんの着物がタンスの中にいっぱい、というお宅も多いのでは?
「断捨離」を心がけている人でも、すぐには決断できませんよね。
- 自分がいつか着るかもしれない
- 買取に出しても二束三文でしか売れないかも…
- 価値のあるものは手元に取っておきたい
「冠婚葬祭のときくらいは着物を着るかも」
「いや、趣味で着付けを習い始めるかも」
…と考える人にとってはなおさら悩みますよね。
そこで今回は
「あると活用できるもの」or「なくても(処分しても)問題ないもの」
を考える目安をご紹介します!
買取に出す場合の、オススメ業者さんも合わせてご紹介します。
目次
活用頻度の高い着物が高く売れる
「活用頻度の高い着物」であれば値段がつきやすいです。
言わずもがな、世の中は『需要と供給』で成り立っていますよね。
「活用頻度が高い」=「需要がある」=高く売れやすい。
逆に、活用頻度がないと手放してもいいのですが、「二束三文」となる可能性は高いです。
【活用頻度が高いとは…】
- 普段使いできる着物…小紋、色無地など
- 着回しのしやすい色柄の着物
【活用頻度が低いとは…】
- 冠婚葬祭でしか着られない着物…留袖、喪服など
- 金や銀の刺繍が入るなど普段使いには豪華すぎる着物
「今後、私や家族が着物に興味を持つことなんてないわ〜」という場合 → 全て手放すのもありです。
「着付けや茶道を習うかもしれない」という場合 → 後述する【活用頻度の高い】数種類の着物は残しておくといいでしょう。
しかし、【活用頻度の低い】もののみ売りに出すのであれば、その分買取価格は期待できないということになります。
「作家もの」の着物は高値がつく! 断捨離するなら高価買取のチャンス
着物の種類を問わず「有名な作家」による着物であれば、高い価値がつきます。
「作家さんのもの」であるかの簡単な見分け方は、着物と一緒に「名前(職人さんの名前など)」や「○○織」などと書かれたハギレ(着物を仕立てた際に余った布)が入っていること。
ハギレ、または「証紙」と呼ばれる”品質証明書”のようなものが着物と同梱されています。
「京友禅」「大島紬」「京繍(きょうぬい)」など作品の種類を表す名称と、それを作った作家さんのお名前がハギレや証紙に書かれています。
このようなものはいわゆる「ブランド」なので、古いからと言って価値が極端に下がることはありません。

と思っているなら、断捨離する前によく考えてから手放すかを決めてくださいね。
「小紋」はもっとも活用できる着物。需要は高く売れやすい
「小紋」とは・・・
- 全体に模様が散りばめられている
- 模様に上下の向きはない
- 普段着〜ちょっとしたおしゃれ着として使う
小紋は洋服でいう「ワンピース」のような存在。
帯や小物使いでカジュアルにもきれい目にもコーディネイトできて、もっとも着る出番の多い着物です。
着る機会が多いということは…
- 需要が高く、売りやすい
- たくさん作られている着物なので、高値にはなりにくい
応用の効く着物なので、需要はあります。
しかし逆を言うと、多く出回っている分、供給量も多いんです。
それゆえ、あまり高い値段で売れることは期待できません。
「これから先、着物で出かける可能性がある」のであれば、小紋は一着は手元に置いておくと便利な着物。
「着物に興味が出ることはないかなー」というのであれば、買取を依頼してみては。
「訪問着」は一着持っておくと安心な着物
訪問着は帯より下の部分と、肩から袖にかけて大きな図柄が入っている着物です。
こちらはフォーマル向きの着物。
お子様の入学式・卒業式や茶道のお茶会、格の高いレストラン、お友達の結婚披露宴などあらたまった席に着ていく着物です。
訪問着の場合は、帯は「袋帯」と呼ばれる帯で二重太鼓を結ぶのが一般的。
普段着として着物を着てみたい、という方には必須ではありません。
「冠婚葬祭でこそ着物を着てみたい」場合は、ぜひ残しておいてください。
「黒留袖」と「喪服」はもっとも出番が少ない着物

黒留袖
黒留袖と喪服は、断捨離の最有力候補です。
黒留袖は近い親族(娘、姪や甥など)の結婚式に着る、黒地の着物に帯より下の部分に大きな図柄が入った着物。
喪服はお葬式の時に着る、黒い無地の着物。
何親等までが「黒留袖」「喪服」を着るべきかというマナーは地域によって異なります。
しかしどの地域でも着る機会は圧倒的に少ないはずですので、断捨離するならこれらが優先度高めです。
着る機会がない分、需要は少ないので買取に出しても値段がつかないことも考えられます。
その辺りを承知の上で断捨離してくださいね。
「色無地」は一着あると便利な着物
色無地は、黒以外の色で模様の入っていない着物(そのままですが…)。
こちらは、フォーマルで着る着物で、紋が付いている数によって格が変わります(数が多いほど格上=かしこまった場向き)。
一方、紋が入っていないものはカジュアルな時に着られます。
普段から着物を愛用する人には好まれますが、「一応持っておきたい」程度の人にとってはあまり出番はないでしょう。
断捨離したいのであれば、色無地は手放してもいい着物と言えます。
雨コートは、断捨離しても問題なし
ツルツルの素材の「雨コート」も嫁入り道具としてタンスの中に入っているかと思います。
その名の通り、雨の日のレインコートとして着物を雨や泥から守るために着るものです。
着物を普段から着る方はあったほうが便利なのですが、冠婚葬祭のみ着る方は不要と考えていいでしょう。
結婚式やお葬式を例にとると、式場の中でし着つけてもらって終わり次第着替え、移動があったとしても車で。。。ということが多くありませんか?
雨コートも断捨離の優先順位高めでOKです。
ウール・木綿着物は、着物愛用者でなければ断捨離しても問題なし
ウールや木綿の着物は、日常着。Tシャツやチノパンみたいなものです。
冠婚葬祭以外で着る予定がなければ(着物にハマる予定がなければ)不要です。
そして、、、もし今後着たくなったとしても、ウールや木綿の着物はリサイクル店ではリーズナブルに手に入ります。
特に色柄が気に入っている、ということでなければ断捨離対象としていいでしょう。
着物を「断捨離する」なら売る?捨てる?

断捨離するもの、残すもの、分けることはできましたか?
それではいよいよ手放すときですが、、、着物の断捨離にはいくつか方法があります。
- 着物買取の専門業者へ売る
- 「メルカリ」で売る
- 地元のリサイクル着物店へ売る
- ゴミとして処分
それぞれの特徴や方法をご紹介しますね!
4番の「ゴミとして処分する」は割愛します。
着物買取の業者へ売る
最近では、WEBで依頼できる着物買取の業者さんが増えています。
WEBのフォームから依頼すると、発送キットが送られてきます。
そこに断捨離したい着物を入れて業者さんへ発送すると、数日後に買い取る場合の見積書がメールで届くのです。
その査定に納得が行かなければキャンセルして返送してもらうことも可能。
査定だけなら無料ですので、複数の業者へ出してみて比較するのもいいでしょう。
中でもおすすめは次のサイトです。
査定から買取成立までの流れ
今回は3社の業者をご紹介しますが、申し込みから買取成立までの流れはほぼ同じです。
- 公式サイトからWEBまたはTELにて申し込み
- 梱包キットが届いたら、着物を箱に詰める
- 宅配業者に集荷を依頼する
- 査定
- 買取料金の受け取り
着物買取の「着物10」
「着物10(テン)」は宅配専門の会社です。 ※「ヤマトク」よりブランド名が変わりました。
また、「着物10(テン)」を利用するメリットは次の通り。
- 和装小物(草履やかんざしなど)も買取対象となる
- 古い着物も買取対象となる(シミやほつれがあっても、リメイク用として買い取ってもらえることがある)
業者の中には買取対象は「着物と帯のみ」というところも…。小物類も買い取ってもらえるのは嬉しいですよね!
また、ファンの多いアンティーク品の価値に理解があるのも高ポイント!!
一方、デメリットをあげるとすると次のことが挙げられます。
- 査定が終わるまでに時間がかかることがある
宅配専門で行なっている分、即時はやはり難しいです。「いますぐ結果を知りたい」という人には不向きかもしれません。


「福ちゃん」
中尾彬さん、池波志乃さん夫妻のCMでおなじみの「福ちゃん」。
福ちゃんの特徴は、宅配・出張・店頭の3パターンから買取方法を選べること。

実店舗は東京・大阪を中心に複数あります。
また、福ちゃんを利用するメリットは・・・。
- 着物以外も買取ってもらえる
- 出張買取の出張費が0円
- 店頭買取がある
宝石や洋服、古い切手なども買取の対象です。家の中のものを大規模に断捨離したい人にはぴったりです!!

デメリットは・・・。
- 羽織や道行は買取不可のことが多い
実際に査定に出された方の口コミです。
羽織などは需要がないわけではないのですが、、、品物によるのかもしれません…。
「バイセル」
バイセルは坂上忍さんのCMでおなじみ。着物買取といえば、こちらを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
バイセルも宅配・出張・持ち込みから買取方法を選べます。
バイセルは「店舗」はないのですが、関東〜九州まで複数拠点があり、そちらに持ち込めます。(事前申し込みが必要)
「バイセル」を利用するメリットは・・・。
- 着物以外も買取ってもらえる
- 出張買取の出張費が0円
- TEL申し込みが24時間対応可能
デメリットは・・・。
- 喪服やウールの着物は買取が難しい
WEBサイトにあらかじめ明記されています。査定額0円となって、返送を希望する場合はその送料がかかりますから、査定に出す場合は注意しましょう。

3社の比較(FAQ)
質問 | 着物10 | 福ちゃん | バイセル |
梱包キットの箱には、着物は何枚くらい入るの? | 15〜20枚程度 | 4種類より選べる ※追加発送可能 |
3種類より選べる ※追加発送可能 |
買取に必要な書類はある? | 身分証明書 ※WEB添付or荷物に同梱 |
身分証明書 ※荷物に同梱 |
身分証明書 ※荷物に同梱 |
発送にお金はかかる? | 不要(着払い) ただし、買取をキャンセルする場合の返送料はお客様負担 |
不要(着払い) ただし、買取をキャンセルする場合の返送料はお客様負担 |
不要(着払い) ただし、買取をキャンセルする場合の返送料はお客様負担 |
キャンセルはできる? | 査定に納得しない場合はキャンセル可能 | 査定に納得しない場合はキャンセル可能 | 査定に納得しない場合はキャンセル可能 |
買取額の振込はいつ頃? | 買取成立後、約1〜2営業日以内 | 買取成立後、約 1~5 営業日後 | 買取成立後、約2営業日 |

タンスの中身をスッキリ断捨離したい方にはオススメ!
どの会社も、査定・会社へ送るまでの送料・買取手数料はかかりません。
断捨離しようとして、少しでも値段がつけば黒字になるということ!!
「メルカリ」で売る
みなさんご存知の「メルカリ」でも着物は意外と人気商品です!

アンティークやリサイクルの着物を愛用する着物女子、結構メルカリこまめにチェックしてます!
メルカリのメリットは、1枚ずつ販売できるということ。
断捨離したいけど、一度にたくさん手放すわけではない…という場合に便利です。
また、何と言っても、メルカリは「エンドユーザーに直接販売する」ため、買取業者よりも高く売ることができます。(もちろん、すべての着物に買い手がつくわけではありませんが)
デメリットは、販売手数料がかかること、発送の手間がかかることです。
地元のリサイクル着物店へ売る
お近くにリサイクル着物店があれば、店頭で買取をしてくれることもあります。
買い取ったものはそのままお店で販売するほか、別の業者へ売ったりすることもあるようです。
こちらは買取の条件や価格はネットの買取業者と同じくらいと考えていいでしょう。
WEBでのやり取りが不安な方、「どんな着物が高く売れるの〜?」など店員さんから聞いてみたい方は選択肢の一つとして考えてみてください。
デメリットをあげるとすると、大量に査定に出す場合は運ぶのが大変という点。
正絹の着物、結構重いんですよ…!
まとめ:お母さんの着物、断捨離するなら一度は買取業者の査定を
着物の中にも、買取額が高くつくもの、買取不可のものなどかなり差があります。
- 作家さんの名前のついたもの
- 未使用のもの
これらがあれば期待大。
一度、無料査定に出してみてはいかがでしょう。
査定はほとんどの業者で無料で見ていただけますので、比較して決めるのもありです!
タンスの肥やしのままではもったいないですよ!


母親の着物がタンスの肥やしになってます。
断捨離すべきか迷ってて…